




※サイン入りです。
文筆家・木村衣有子の自費出版物です。
家庭での料理に着目し、独特の観察眼と表現で綴るエッセイ。書評もよみごたえあり。しっかりした味つけの、手のひらサイズの冊子です。
『しるもの時代 家庭料理の実践と書評』
“新しいレシピを探すことが億劫になり、過去の名作ばかりつくり続ける時期もあったりする。懐メロばかり聴きがちな状態と、よく似ている。それはそれで、自分にとってのスタンダードが定まったのだといえるのかも。”
(「うちの味って」より)
“愛を抜き取り、「料理=情」というなら、よく分かる。料理は料理でも、あえて「家庭料理」と謳うならばもちろん「情」は必要だから。でも、あまりにも軽々しく、「愛」をその上にのっけていやしないか。そう、愛の押し売りを強要されるのはいやだし、押し売りされているところを見るのもいやなのだ。存外、純情なのだ私は。”
(「読む家庭料理」より)
台所からにじみ出したようなエッセイと書評集です。文中では、家庭料理にまつわる本を15冊紹介しています。
目次:
・エッセイ:うちの味って
・家庭料理の実践と書評:味噌汁飲み
うちの味噌汁/コーヒーと味噌汁と花森安治/本の中の味噌汁論
・コラム:しるの素
創味シャンタン/キユーピー3分クッキング チャウダーの素
・飲食書評:読む家庭料理
飲食書評の仕事と「家庭料理」考/『きょうも料理』を読む/愛情は別として、なにしろごはんは炊きたてがおいしい
『しるもの時代 家庭料理の実践と書評』
文 木村衣有子
装丁 木村敦子(盛岡の街雑誌『てくり』/kids)
挿絵 天間苑佳(HAND DESIGN)
定価 800円(+税)
文庫サイズ・並製・64ページ・本文モノクロ