金田理恵『 道ばたの椅子 ぜんまい屋の北京』 亀鳴屋(2019)
金沢の小さな版元、亀鳴屋さんの本です。
北京に暮らす著者が、道端にたくさん椅子が置かれていることに気づいたことをきっかけに撮影をはじめ、その写真と文章をまとめたもの。
「公共の空間に、「本音」が置かれているように見えます。」
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ただ、そこに椅子がある。ちょっと座りたいときのために、ちょっと置いておく。その「ちょっと」の気持ちがなんだか可愛らしく思えて、見ると撮らずにいられない。
「道ばたの椅子」に気づいたのは、二年間中国語を学んだ学校の、塀の外へ出て暮らし始めてからです。路地の脇へ寄せて置かれたボロい椅子。いつ、誰が座るのか、想像がつかない。それでいて、なんだかちゃんと大切にされている感じがする。そうやって気がつくと、道端にはたくさんの椅子がありました。(あとがきより)
(版元サイトより)
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12.8×18.9cm
120ページ、上製 薄表紙 糸かがり
限定531部