





写真家、白石ちえこさんのモノクロ写真集。
1920〜1930年代に日本のアマチュアカメラマンの間で流行した「雑巾がけ」とよばれる写真修正技法で制作した銀塩写真。
A4変型 234 x 235 mm
上製本 ハードカバー
72頁
作品点数43点
発行部数400部
編集発行人:大田通貴
装幀:加藤勝也
印刷:株式会社サンエムカラー
発行:蒼穹舎
2015年6月16日発行(2019年2刷)
ーあとがきより
物心がついた頃、ペンギン島に行ったという曖昧な記憶があるのだが、島へ行く道すがら見かけた風景はぼんやりとしかよみがえらず、 現実離れした絵の中の風景のようでもある。
船上から眺める島影はかすみ、波間に揺らめき、見え隠れしていた。遠くに近くに見えながら、なかなかたどり着くことができない。記憶の中で小さなシグナルを出すペンギン島は、まぼろしの島である。 その島影は、仄暗い記憶の底にゆらゆらと漂っている。