チェジウン『映画看板図鑑 Painted Cinema Billboards』(PROPAGANDA CINEMA GRAPHICS)
Last 2
9,900 JPY
“宣伝と芸術の間”
映画ポスターのデザインで知られる韓国のPROPAGANDA CINEMA GRAPHICS主催、チェジウンが1940年代から2000年代までの手描きの映画看板写真を約1000点を収集し記録したアーカイブブック。
全盛期はあまりにありふれていたため、価値がわからず記録されることがなかった映画看板。看板画家本人が撮影した写真や、報道機関の記録を収集し構成した一冊。
できるだけ鮮明に、美しく、その時代の魅力に浸れるように“たっぷりと”デザイン。その重さ、なんと2.5キロの本です。
*先着で映画看板みたいなペーパーアイテムをおつけします
著者:チェジウン
(映画ポスターデザイナー、映画資料収集家)
サイズ:24cm x 24cm
ページ数:600ページ
仕様;ハードカバー、フルカラー
PROPAGANDA CINEMA GRAPHICS
の本 ↓
https://stores.jp/search?q=PROPAGANDA&store=popotame
ー以下、版元サイト(著者の日記)より翻訳ー
「動く写真」、映画が初めて韓国に紹介された時から2000年代半ばまで、劇場には巨大な広告板がかかっていた。
魅力的な映画俳優たちと美辞麗句を総動員した広告文句が観客を誘惑する。
テレビが家庭に普及する以前、そして映画を紹介するメディアが多くなかった時期を経て、インターネットとサブスクが登場するまでは…。
手描き看板は、映画を広報する最も直接的な手段だった。
特に映画の看板は圧倒的な大きさと広告効果があるため、興行という点でも映画会社と劇場、そして俳優までもが映画ポスターと同じくらい気を配るメディアでもあった。
しかし皮肉なことに、その巨大な大きさによって保管することができず、劇場にかかっていた看板は次の映画のためのキャンバスとして上書き・再利用されたため、人々の記憶としてのみ残って消えることになった。
「見る楽しみ」が多くなかった時代、市内の中心部で無料で見られる絵画作品の一つだった映画看板は、1970~90年代に映画公開本数の増加とともにその絶頂を迎えた。そして映画の看板画家は高収入の職業の一つだった。
劇場ごとに専属画家がいて、画家ごとに固有の絵のスタイルがあった。誰がより実感が湧く看板を格好よく描くか競い合うほどだったという。
映画ポスターのデザイナーが、写真を利用して縦長の空間に映画を圧縮して見せる芸術家だとしたら、看板画家は横長の空間を利用するグラフィックデザイナーであり、イラストレーターといえる。
しかも、直接描く絵と文字で。
1980~90年代、ソウルの檀城寺、大韓劇場、国都劇場などの看板を描いたペクチュンテ画伯は、「映画の封切りの日が、私の展示会の開幕日」というほど映画絵看板を愛した人だ。
単に絵を描いてお金を稼ぐ職業ではなく、映画看板を一つの作品だと思っていたからか、ペクチュンテ画伯は自分が描いた映画の看板が劇場にかかれば必ず写真を撮っておいた。
そのようにして残された写真のおかげで、私たちは今、映画看板の輝ける全盛期を見ることができる。
中心街の主な劇場で俳優そっくりに描かれた巨大看板を見ると、畏敬の念を抱くほどだ。
一時代を風靡した映画の看板は2000年代初頭から少しずつ消えていった。
もはや手作業で絵を描く必要がないコンピュータでの出力技術の発展と、複数の映画を同時に上映するシネマコンプレックスの登場のためだった。
収入が良かっただけでなく、メディアにも紹介され魅力的でユニークな職業人として良い時代を享受していた映画の看板画家たちは、次第に職を失い、また一つの映画館で一つの映画だけを上映する「単館劇場」も一つ二つと消えていくようになった。
この本に収録された写真の大多数は、実際に映画の看板画家として活動した方々が長い間保管してきた写真だ。
新聞、雑誌などのメディアでも必要に応じて撮影された写真がアーカイブとして残っているが、「直接絵を描いた」画家たちによって残された多様な写真こそが、ーまるで本人の作品のポートフォリオのようにーより大切な価値を持つといえるだろう。
また、1960~70年代に韓国に常駐していたアメリカ軍のスライド写真の中にも、映画の看板がたくさん見られる。
その生々しい現場を鮮明な高画質のカラー写真で見られるのは、どれほど幸いなことか分からない。
この本には1940年代から2000年代後半までの約60年間、私たちに「見ることの楽しみ」を与えてくれた映画の看板写真1,000点余りを収集・収録している。
看板だけでなく、それらをいっそう輝かせてくれた、今は消えてしまった単館劇場の姿も見られる。
あまりにもありふれていたため、その価値を知らず、その価値を記録しておくことすら考えていなかった映画看板。
大切な資料として残っている映画の看板を見ながら、その時代の魅力に浸ってほしい。
PROPAGANDA CINEMA GRAPHICSの本 ↓
https://stores.jp/search?q=Propaganda%20cinema&store=popotame