フィンランド人画家、小説家、作家であるトーベ・ヤンソン(Tove Marika Jansson)の作品集。
「ムーミン(Moomin)」の原作小説全9作のアートワーク約500点を時系列順に完全収録した一冊。
第二次世界大戦終戦間近に作者が手掛けた小説 『小さなトロールと大きな洪水 (The Moomins and the Great Flood / 原題:Småtrollen och den stora översvämningen)』(1945年)にて初めて登場したムーミン。以来「ムーミン・シリーズ」として小説やキャラクターは時代を超え世界中で愛されてきた。
本書では文字情報の掲載がなく、作品だけでムーミンのストーリーに登場するキャラクターとその冒険の様子や、ヤンソンの溢れる才能とイラストレーターとしてのキャリアを読み取ることができる。タイトルの『MISCHIEVOUS NATURE』は、登場人物のちょっと変わったいたずら好きな愛くるしい振る舞いと、物語を覆う豊かな自然を描写した世界観を表している。
小さなサイズで掲載された作品を見るために用意されたイラスト入り虫眼鏡(イラストが印刷された厚紙を使用)、小説に登場する地図が印刷された両面折り込みポスターが付属。全9作の小説のカバーを飾ったカラー作品は、ジャバラ状の折り込みページとして収録されている。
この世界には、夏や秋や春に居場所がないものがたくさんいてね。みんなちょっとだけ恥ずかしがり屋で、少し変わり者で。ある種の夜の動物、他のみんなとはうまく馴染めない人、誰もいると信じていないような生き物とか。みんな、邪魔にならないように一年中こっそりと隠れているんです。そうしてあたりがひっそり静かになって、一面雪で真っ白になり、夜が長くなって、みんなが冬の眠りについたころ、彼らは現れるのですよ。
– トーベ・ヤンソン
収録作品
・『小さなトロールと大きな洪水(The Moomins and the Great Flood / Småtrollen och den stora översvämningen)』(1945)
・『ムーミン谷の彗星(Comet in Moominland / 原題:Kometjakten/Kometen kommer)』 (1946)
・『たのしいムーミン一家(Finn Family Moomintroll / The Happy Moomins / 原題:Trollkarlens hatt)』 (1948)
・『ムーミンパパの思い出(The Exploits of Moominpappa / Moominpappa's Memoirs / 原題:Muminpappans bravader/Muminpappans memoarer)』(1950)
・『ムーミン谷の夏まつり(Moominsummer Madness / 原題:Farlig midsommar)』(1954)
・『ムーミン谷の冬(Moominland Midwinter / 原題:Trollvinter)』(1957)
・『ムーミン谷の仲間たち(Tales from Moominvalley / 原題:Det osynliga barnet)』(1962)
・『ムーミンパパ海へいく(Moominpappa at Sea / 原題:Originally: Pappan och havet)』(1965)
・『ムーミン谷の十一月(Moominvalley in November / 原題:Sent i november)』(1970)
(ディストリビューションサイトより転載)
ハードカバー、函入
ポスター付
280ページ
22 x 30 cm
カラー、モノクロ
限定1000部(2022)