ー19歳、似顔絵の看板背負って沖縄へ。
人生出発点の輝き。10年後また、旅をする。
どこにも属さず自由なやり方で絵画、詩、音楽、パフォーマンスなどを行う小川てつオの著書の新版。
1990年、19歳の時に「似顔絵描き」をしながら沖縄を旅した記録『このようなやり方で300年の人生を生きていく』(2005年)に、カラースケッチとさらに10年後の旅を増補。差別問題や沖縄戦を語る編注も加わりました。
小川てつオさんは、1996年より「居候ライフ」として約 50ヶ所の誰かの「家」を巡回、その住人とのトークを起こしたミニコミ(zine)を配布していました。
2003年から都内公園でテント暮らしをはじめ、訪問者と絵を描いたり話をする物々交換カフェ・エノアールをいちむらみさこさんと運営。
「ねる会議」や「反五輪の会」に参加し、野宿者排除に抵抗する活動を続けています。
人間、家、仕事、生存、公共など、この社会に息苦しさを感じる人々に、考えたり行動したりするための風穴をあける表現者による一冊。
ーあとがきより
今、都内の公園のテントの中で、これを書いている。遠くから車の流れる音が聞こえてくる。もうテント村は寝静まっている。
十九歳のぼくは、全くもって、はばたきたかった。それも当然のこととして。なぜなら、「学校」というところで息を詰めるような数年間を送っていたから。この沖縄旅行を通じて僕は、社会の肌合いの多様さを感じていた。人の顔が見えてきたのだ。ああ、全く似顔絵とは、人の顔を見るということだ。僕が無意識に選んだ似顔絵とは、社会の僕なりの踏み出し方だった。
*キョートット通信3号をおつけします。
*先着でサイン本をお届けします。
著者:小川てつオ
サイズ:13×19cm
仕様:並製本、240ページ
版元:キョートット出版(2023年)
装丁:納谷衣美
キョートット通信第3号つき