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坂田和實『古道具もの語り』

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目白にあった「古道具坂田」(1973-2020)店主、骨董商の坂田和實さんの遺著。新幹線の車内誌『ひととき』の連載を写真と共にまとめた一冊です。 『古道具もの語り』 著者:坂田和實 撮影:奥山晴日 装丁:大野リサ 新潮社青花の会(2023) A4判横・麻布張り上製・函有・カラー64ページ 以下、版元サイトより。 本書『古道具もの語り』は、2014年から19年まで東海道新幹線の車内誌に連載された記事(病気により中断)をまとめたもので、2022年になくなった坂田和實さんの遺著です。名著『ひとりよがりものさし』(2003年刊)の続篇的内容でありつつ(単著はこの2冊のみ)、約20年の歳月が、えらぶ物や、文章の色あいをかえています。   連載時の撮影にさいしては、物の配置や背景、構図なども提案していたという坂田さん。病床で、最後まで仕上りを気にしていたのも本書でした。  骨董、工芸界にとどまらず、現代日本の生活文化に大きな影響をあたえた「眼の人」の、いつものようにかろやかで、芯のある、最後のメッセージです。 著者|坂田和實 SAKATA Kazumi 骨董商。1945年生(福岡県)−2022年歿(東京都)。上智大学卒業後、商社勤務を経て、1973年、東京・目白に「古道具坂田」開店(2020年閉店)。以来、年に数回、海外へ仕入の旅に出かけ、欧州、アフリカ、朝鮮、日本、南米など、さまざまな国の品物を扱う。1994年、千葉県長南町に「museum as it is」(中村好文設計)を開館。2012年、渋谷区立松濤美術館で「古道具、その行き先−坂田和實の40年」展を開催。著書に『ひとりよがりのものさし』(2003年)、共著に『骨董の眼利きがえらぶ−ふだんづかいの器』(02年)、『日本民藝館へいこう』(08年)など(いずれも新潮社刊)。 目次| 李朝虱取り受け紙 デルフト窯白釉薬壺と色絵小皿 仏さま 江戸期の硝子 只の×××× ゴシックの扉 雑巾 埴輪のトルソー おもちゃの車 旗 土師器と須恵器 ドゴン族祈禱用ハシゴ 英国のスリップウェア 秋野ちひろ真鍮作品 筆箱 オランダのタイル アフリカの土偶 初期伊万里と李朝無地刷毛目皿 ズボン エナメル絵付硝子 携帯電話 アンデスの布 空箱 インドネシアの壁板 西洋のカトラリー 肌襦袢の端切れとおしめ 中国緑釉銀化かまど ドゴン族のマスク 段ボールと馬糞紙 南ヨーロッパの瓦 本書より| 〈もし若い頃にこの紙に出会っていたら、そのなんともない美しさに気づかず、見過していたことでしょう。私もようやく大人になって、やっと自分の好きなモノ、寄り添って生活を共にすることができるモノが解るようになってきたのかもしれません〉(李朝虱取り受け紙) ─ 〈その後の学生時代は、これに、父親から譲り受けた刑事コロンボ風レインコートで押し切りました。靴は穴が開き、ジャケットの裏地は破れ、レインコートはボロボロ。古道具屋になったのも自然といえば自然のなりゆきというものでしょう〉(雑巾) ─ 〈だがまだスリップウェアといえば、多くの人が女性下着と間違える時代。催しは大失敗、半分以上売れ残り、その後数年間は英国に行くたびに、重い皿を担いでロンドン中をさまよい歩きました〉(英国のスリップウェア) ─ 〈世の中変わりました。古い伝統を持つこの世界にも、ファッションやデザイン業界から若い人達が続々と参入してきています。(略)まだまだ古い価値観を引きずっている私は、いつも彼等から、固くなった心にグサリと鋭いクサビを打ち込まれています〉(秋野ちひろ真鍮作品) ─ 〈こちらも歳を重ねて経験を積み、決められたモノの見方を少しずらしてみると、意外にも、自分の周りは面白いモノ、不思議なモノのオンパレード。(略)この布は、人間でいえば仕事を終えた後期高齢者。もう世評も気にせず、美醜の二元にも落ち込まず、平然と、飄々として、立っています〉(肌襦袢の端切れとおしめ)

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