韓国中西部の街、大田(デジョン)の独立出版社ノーネームプレスの「◯◯博物館シリーズ』第二弾は、大田で商店のウインドウのレタリングを手がける職人、チュ・ギョウンの仕事文を集めた写真集。
韓国の町に行くと、昔ながらの食堂や古い商店の入り口に見かけるレタリング文字。まったく同じフォントかと思いきや、この大田の職人チュ・ギョウンは手作業で文字やイラストをカットし、膨大な仕事を残している。
地元を愛する独立書店がまとめた、太田のストリートアートの記録。
(版元紹介文より抜粋、引用)
街の商店のウインドウに連なる文字。それは日々の食事のご飯一粒のような、たわいもないものかもしれない。けれど誰かにとっては、そこが思い出の場所にもなりうる、貴重な街の芸術でもある。
多くの街の痕跡が消えつつある中できることは、私たちが生きているこの瞬間、この空間をしっかりと観察・記録して、新しい価値観をつくることだろう。
チュ·ギョウンのレタリングは、不規則なカーブを描いている。ツルツルと滑るガラスの上で、鋭利な道具で持って即興的に手首を回転する。その時に生じる絶妙なバランス。
一つ一つの文字をよく観察すると、このレタリングが完全な即興・自由奔放な動きだけで書かれたわけではないことがわかる。ある程度意図的で、じつは明確に様式化した部分がある点も見逃せない。
『OO박물관 02 : 추교은 글자 도감』NO-NAME PRESS(2023)
70 x 100 x 22mm
コデックス装、400ページ