韓国のイラストレーター、ビョン・ヨングンのグラフィックノベル。
原画は水彩画で、セリフのないコマ割りで物語が表現されています。
舞台は東京、そして韓国へ。
仕事に忙殺される生活のなかで、鳥を見ること、バードウォッチングに出会った青年に少しずつ変化が訪れます。
美しい鳥たちに連れられて、おのずと広がる青年の世界。目の前に広がる風景と鳥たちの出会いに引き込まれます。
ハードカバー
218 x 288 x 12mm
フルカラー108ページ
韓国語
四季節出版社(韓国)
ーー作家のノートーー
2020年の初め、東京でパンデミックを経験した。
都市が封鎖され孤立した日常の中で、私はよく公園に足を運んだ。
公園へ行くと、ときどき目を引く人たちの集まりに出会った。
何人かはまるで獲物を狙うように巨大なカメラを構え、
また別の人たちは小さな望遠鏡でどこかをじっと見ていた。
彼らはまるで装備を自慢し合うキャンプ仲間のようにも見え、
ナショナルジオグラフィックに出てくる専門家のようでもあり、
また一緒にお弁当を食べながら野球観戦をする人々のようでもあった。
ホームランボールを追って駆け出す、観客がまばらで静かな野球場のように。
木の上から舞い上がる鳥を見るために、
最初の発見者の後について集まる人々。
風ひとつない蒸し暑い夏の日も、
身を切るような風が吹く冬の日も、
果てのない待ち時間を楽しむ姿が羨ましかった。
日本で、ある老人がアルバムを取り出し、
自分で撮った鳥の写真を見せてくれたこともある。
珍しい鳥や、珍しい人々にたくさん出会った記憶。
その日の思い出が、この物語の始まりとなった。
2021年、バードウォッチャーたちに出会い、
2022年の冬、日本で自分もバードウォッチングを始めた。
2024年からは、韓国で毎週2~3回鳥の観察をしている。
近くの裏山や小川に出かけることもあれば、期待を込めて遠出することもある。
しかし、目的の鳥に出会えず帰る日も少なくない。
またある日は、初めて聞く鳥の声に気づいて思いがけない鳥を見つけ、
心を弾ませながら家に帰って図鑑やネットで調べてみたことも。
鳥の絵を描くたびに、バードウォッチングを始めた頃に出会った、
鳥を見ていた人々のことを思い出す。
美しく飛び立つ、あの純粋な心を。
ーーーーー
翻訳:キム・ミジョン、大林えり子